2024年 | プレスリリース?研究成果
5万人分の経時的な試料?情報分譲の開始 ~時間による変化を調べることで、より広く充実した研究が可能に~
【本学研究者情報】
〇東北メディカル?メガバンク機構 複合バイオバンク事業部長、教授 大根田絹子
東北メディカル?メガバンク機構ウェブサイト
【発表のポイント】
- 東北メディカル?メガバンク(TMM)計画注1は、これまで分譲対象だった2013年から2017年に収集した試料?情報に加えて、このたび、2017年から2021年にかけて収集した試料?情報の分譲を開始しました。
- この期間には約5万人に対して2回目の健康調査が行われ、初回とほぼ同じ項目の健康調査が数年間隔で行われました。一般住民を対象に数年以上の期間をおいて得られたデータセットを5万人という大規模なスケールで利用できるのは、世界的にも数例しかありません。
- 今回の分譲開始により、加齢変化、疾患の発症前と発症後など、時間とともに変化する生体情報を幅広い観点で測定?解析することが可能となり、より充実した研究が可能となりました。
【概要】
東北メディカル?メガバンク(TMM)計画は、個別化ヘルスケアの実現を目指して2013年に開始された大規模なゲノム?コホート調査であり、宮城県と岩手県の一般住民約15万人の方にご参加いただき、数年おきに繰り返し健康調査を実施しています。調査の際にご提供いただいた試料?情報は複合バイオバンクに格納され、試料?情報分譲という制度によって、全国の研究者に利活用いただいています。
今までの試料?情報分譲の対象期間は、2013年から2017年であり、参加者の初回分の健康調査情報に限られていました。今回私たちは、2017年から2021年にかけて収集した試料?情報の分譲を開始しました。これにより、2回目の健康調査にご参加いただいた約5万人分について、初回と2回目の健康調査を比較解析することが可能となりました。これまで解析できなかった、加齢変化、疾患の発症前と発症後など、時間とともに変化する生体情報を幅広い観点で測定?解析することが可能となり、TMMバイオバンクを利活用した医学研究の可能性がさらに広がることとなります。

図1. ベースライン調査から第3段階期間の調査までの分譲の状況
【用語解説】
注1. 東北メディカル?メガバンク(TMM)計画 : 日本最大規模の一般住民ゲノム?コホート調査を実施しており、次世代医療の実現に貢献するため、個人のゲノム情報に紐づく多様なデータから複合バイオバンクを構築し、長期追跡している。
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学東北メディカル?メガバンク機構
バイオバンク利活用?産学連携推進センター 試料?情報分譲担当
大根田 絹子
TEL:022-272-6955
Email:dist*megabank.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学東北メディカル?メガバンク機構
広報戦略室長
長神 風二(ながみ ふうじ)
TEL:022-717-7908
Email:tommo-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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