2021年 | プレスリリース?研究成果
フッ素系樹脂粒子を水に分散できる非フッ素系分散剤を開発 有害な有機フッ素系界面活性剤の代替として生態や環境への負荷を低減
【本学研究者情報】
〇材料科学高等研究所 准教授 藪 浩
研究室ウェブサイト
【発表のポイント】
- ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子などの低表面自由エネルギー粒子を水に分散できる非フッ素系分散剤の開発に成功。
- ムール貝の接着現象を模倣した接着性ポリマーで粒子表面を被覆することで、低環境負荷の水を始め多様な溶媒に分散可能。
- 非フッ素系分散剤の実用化を目指し、積水化成品工業株式会社よりサンプル提供を開始。
【概要】
フッ素系界面活性剤は生体蓄積性や環境残留性が指摘されており、欧州などで規制が強化されつつあります。そのため、フッ素系界面活性剤を代替する非フッ素系分散剤の導入が工業的に求められています。
東北大学材料科学高等研究所の藪浩准教授(ジュニアPI)は、ムール貝の接着現象に着想を受け、フッ素元素を含有しない代替分散剤の開発に成功しました。本研究の分散剤を用いることで、疎水性粒子を水に分散させる際に廃液へのフッ素元素の溶出が無く、生態や環境への負荷が小さな工業プロセスが実現できます。本研究成果は英国化学会が発行するRSC Advancesにて公表されました。また、積水化成品工業株式会社に技術供与され、非フッ素系分散剤の実用化を目指すことになりました。積水化成品工業株式会社では、サンプル提供を開始しており、今後、工業化に向けた生産体制の構築を進めていきます。

問い合わせ先
<研究に関すること>
東北大学 材料科学高等研究所
准教授 藪 浩
Tel:022-217-5996
E-mail:hiroshi.yabu.d5*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
東北大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています