2020年 | プレスリリース?研究成果
革新的医療用ラジオアイソトープ製造施設整備に向け始動 DATEプロジェクトが拓く国産診断治療用アイソトープ医薬品開発
【発表のポイント】
- ラジオアイソトープ(RI)医薬品は、がんの個別化医療として注目されている。
- 加速器からの中性子を利用した医療用RIの大量製造を世界で初めて実証した。
- DATEプロジェクトは既存のサイクロトロン加速器を増強し、世界初の革新的RI製造施設として整備することで、国際的な医療用RIの研究開発拠点を形成する。
【概要】
RI医薬品を用いた個別化医療の推進が急務です。東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンター(CYRIC)(渡部浩司センター長(プロジェクトマネジャー)、伊藤正俊教授)、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(橋本和幸上席研究員)、住友重機械工業株式会社(盛田琢造主席技師)、株式会社千代田テクノル(永井泰樹特別研究員(プロジェクトリーダー)、川端方子主任研究員)は、新たに共同でDATE(Deuteron Accelerator for Theranostics mEdicine at Tohoku University)プロジェクトを立ち上げました。本プロジェクトは、負重水素イオンを加速する装置を整備し、個別化医療のRI医薬品として利用できる銅64と銅67の大量製造と様々ながんの診断治療に有効なRI医薬品開発のため、多様なRIのオンデマンド製造を目指します。当施設は加速器中性子を利用した革新的医療用RI製造法を適用できる世界唯一の施設として、国産RI医薬品の研究開発に資するとともに、国際共同研究によるRI医薬品開発を展開します。プロジェクト名は仙台藩主にちなんでいます。
本事業は、科学技術振興機構(JST)産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)の一環です。

新製造法の概念図:
重陽子加速器で加速された重陽子は炭素やベリリウムに照射される。
発生した中性子は試料と原子核反応を起こし多様なRIが生成される。
問い合わせ先
東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンター
担当 (渡部浩司、伊藤正俊)
電話 (022-795-7803,7793)
E-mail hwatabe*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)