2020年 | プレスリリース?研究成果
新たなう蝕関連細菌スカルドビア菌の糖代謝機構の解明 早期小児う蝕(ECC)関連菌のう蝕誘発機序を初めて報告
【発表のポイント】
- スカルドビア菌は、口腔細菌の1つで健全者よりも早期小児う蝕(Early Childhood Caries, ECC)患者から多く検出されることが報告されています。
- スカルドビア菌がどのようなう蝕誘発能を持つか、その糖代謝に着目して、代表的なう蝕関連細菌であるストレプトコッカス?ミュータンス菌と比較しました。
- その結果、スカルドビア菌は、ストレプトコッカス?ミュータンス菌とは異なるう蝕誘発機序があることが分かりました。
【概要】
東北大学大学院歯学研究科口腔生化学分野の高橋信博教授、安彦友希助教および同研究科顎口腔矯正顎分野の亀田真衣歯科医師らの研究グループは、米国フォーサイス研究所のAnne Tanner博士らとの共同研究で、早期小児う蝕患者から特徴的に検出されるスカルドビア菌のう蝕誘発機能、とくに糖代謝に関する生化学的機序について明らかにしました。
<う蝕誘発機序に関する発見>
?高い耐酸性能をもつこと
?高いフッ化物耐性をもつこと
?特異的な糖代謝機構「ビフィドシャント」がう蝕の誘発に関与していること
これらの結果より、今後、新たなう蝕関連細菌としてスカルドビア菌が注目されていくことが予測されます。
なお、研究成果は令和2年3月25日付で国際学術誌「Frontiers in Microbiology」にオンライン掲載されました。

図:スカルドビア菌とストレプトコッカス?ミュータンス菌の糖代謝機構の比較
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院歯学研究科
口腔生化学分野
教授 髙橋 信博(たかはし のぶひろ)
電話:022-717-8294
E-mail:OEB*dent.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院歯学研究科 広報室
電話:022-717-8260
E-mail:den-koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)