2020年 | プレスリリース?研究成果
細胞内で働く安定細胞内抗体「STAND」の開発に成功 ~従来抗体がアプローチ出来なかった細胞内タンパク質の機能阻害が可能に~
【発表のポイント】
- pH6.6でも強いネガティブチャージを持つペプチドタグの融合で細胞内抗体を安定化
- 細胞内で凝集する不安定な抗体も安定化することにin vitroと in vivoで成功
- 安定細胞内抗体STANDにより、神経活動の抑制や、ヒトがんの約25%に関わるrasファミリーの一つKrasの機能抑制にin vivoで成功
【概要】
東邦大学、日本獣医生命科学大学、理化学研究所、上海科技大学、自治医科大学、東北大学大学院生命科学研究科の研究グループは、従来の抗体では不可能であった細胞内のタンパク質の機能阻害を可能にする、安定細胞内抗体 (Stable cytoplasmic antibody: STAND)の汎用的作製技術の開発に世界で初めて成功し、神経活動の抑制や、undruggableなヒトがん遺伝子産物として知られるKrasの機能抑制に成功しました。この開発は、細胞内タンパク質の機能操作による、生命現象の理解や疾患治療薬の開発につながるものです。

図1. (a) Whole IgGの模式図. (b) ScFvの模式図. (c) HeLa細胞の細胞質における従来抗体scFvの凝集
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