2018年 | プレスリリース?研究成果
器官を丸ごと作り変える驚きの再生現象の仕組み 眼が翅に変わるショウジョウバエを使った器官再生研究
発表のポイント
- ショウジョウバエでは、細胞の分化状態を器官ごと転換する「決定転換」というユニークな現象が50年以上前から知られていますが、その仕組みはよくわかっていませんでした。
- 眼が翅(ハネ)に変わってしまうショウジョウバエでは、「Wge」、「Su(var)3-9」という2つのタンパク質がこの転換を担っていることが今回わかりました。
- 今回の発見は、器官再生や分化転換などの再生医療分野に繋がる基礎的知見になると期待されます。
概要
東北大学大学院薬学研究科の増子恵太研究員、倉田祥一朗教授らの研究グループは、モデル生物の1つであるショウジョウバエを用いて、「決定転換」という仕組みに関わる遺伝子を同定しました。「決定転換」現象とは、傷やストレスに対する応答として、器官を丸ごとつくり変えてしまうという、驚くような器官の再生現象です。同定した遺伝子はヒトにも相同遺伝子があり、この研究成果は器官再生や分化転換などの再生医療分野に繋がる基礎的知見になると期待されます。
この成果は平成30年1月2日(日本時間1月3日)に、Cell Reports誌に掲載されました。
論文情報
winged eye induces transdetermination of Drosophila imaginal disc by acting in concert with a histone methyltransferase, Su(var)3-9
Keita Masuko, Naoyuki Fuse, Kanae Komaba, Tomonori Katsuyama, Rumi Nakajima, Hirofumi Furuhashi, and Shoichiro Kurata

眼が翅(ハネ)に変わってしまうショウジョウバエ(写真右)では、「Wge」、「Su(var)3-9」という二つのタンパク質がこの転換を担っていることが今回わかりました。
問い合わせ先
(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科
教授 倉田 祥一朗
電話:022-795-5916
E-mail:kurata*m.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 総務係
電話:022-795-6801
E-mail:ph-som*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)